先日東京都のHPで、かいぼり後の井の頭池に、絶滅危惧種の水草「イノカシラフラスコモ」が60年ぶりに復活したと公表されました。
さて、それってどんなものなんでしょうか?
東京都のHPによると、昭和32年に井の頭池及び神田川上流で初めて発見され、新種として記載されたものの、その後姿を消し、最近では千葉県の市川市で生息が確認されている以外の生育地は見つかっていないとのこと。環境省のレッドデータブックでは、最も絶滅が危惧される「絶滅危惧1類」に記載。とあります。
最近 井の頭公園では、池一面にものすごい量の藻が広がっています。かいぼりで池底の土が活性化し、池の水がきれいになったので、池底に太陽の光が届くようになったこと、池底の泥を掘り返していたコイが居なくなったことで、植物が根付く環境ができたことなどが要因のようですね。
でも、これは イノカシラフラスコモ ではなく、ツツイトモ と言う藻なのだそうです。な~んだ…と一瞬思いますが、実はこれも貴重なものなんですって。この ツツイトモ も、レッドデータブックの「絶滅危惧2類」に記載された沈水植物で、池底から長~く伸びて水面に広がっているそうです。ボートに乗るとそれをひっかけて切ってしまうので、あちこちに切れ端が流れ着いているみたいですね。
これがツツイトモのアップ。
なんだか海藻みたいに、チュルチュルっと三杯酢でいただけそうな感じですね~。
この浮かんだ藻の中には、小さな魚やエビなどが隠れていて、カルガモなどの水鳥達がその中に頭を突っ込んで一生懸命 何か探している姿が見られます。
こんな小魚が隠れているようです。
そうそう、肝心のイノカシラフラスコモ…。この水面に浮かんでいる藻に比べて、丈が20~30㎝と短いので、水面には出てこないようです。池の深いところにあるので、私たちは見ることができませんね~…。
と思っていたら、このたびその貴重な姿を公開するイベントがあるとか! とてもデリケートなうえ、なんといっても絶滅危惧種1類ですからね~その辺で簡単に公開して枯らしてしまってはいけないでしょうから、公開は無理なのかな…とも思っていたので 感激です!
「かいぼり後の井の頭池 生き物博2016」7/9土曜日の11:00~16:00 井の頭公園の野外ステージ前で特設展示。
これはもう見に行かなくちゃ。楽しみです。
詳しくはこちらからどうぞ!
池の中の状況は刻々と変わっているので、この貴重な藻がこれからずっと存続していけるのかはわかりませんが、絶滅したと思っていた種が何十年もたって芽吹いた姿は、是非この目に収めておきたいです。
東京都のHPも添付しておきます。
トップ画像出典:井の頭池に復活した絶滅危惧種~イノカシラフラスコモ | 吉祥寺ロコ